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🇱🇺第24代首相グザヴィエ・ベッテノレ🇱🇺🇪🇺(偽物・FAKE)は主にTwitterで活動しているなりきり首相兼、日本のポーランドボーラーである。 基本情報 🇱🇺第24代首相グザヴィエ・ベッテノレ🇱🇺🇪🇺(偽物・FAKE) なりきり首相、日本のPBer フォロワー数 2,798人(2022年7月現在) Twitter Twitter 作品の特徴 基本デジタルでゆるふわ描きの作品。 登場する国はベネルクス三国が多い。
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前ページ次ページアクマがこんにちわ 「あんた誰?」 はじめに視界に入ったのは、抜けるような青空だった。 そのとき自分は呆けていたのだろう、口を半開きにして、頭にクエスチョンマークを浮かべていた気がする。 「ちょっと、何か言いなさいよ?」 空は青い。 ボルテクス界の淀んだ明かりではなく、敵意を含んだ光でもなく、ひたすら重く暗い闇でもなく、ただひたすらに青い。 「ちょっと!聞いてないの?」 「ミス・ヴァリエール、下がりなさい」 視線をほんの少し下げると、ほんの三メートルぐらい向こうに、ピンク色の頭髪を持ちマントを付けた少女がいた。 その少女の肩に、おでこと頭頂部を中心に肌色が見える細面の中年男性が手を置いて、少女を下がらせようとしていた。 「で、でも、召喚が」 「下がりなさい」 男性は先ほどよりも静かな、それでいて強い意志を秘めた言葉で少女を下がらせる。 その瞳は殺気こそ含んでいないものの、警戒心を決してゆるめない強靱な意志を感じさせていた。 それよりももっと後ろの方では、遠巻きに少年少女達がこちらを見ている、よく見るとバグベアーやサラマンダー、フクロウにカエル、竜のような生き物までこちらを注視していた。 少年少女達は、年の頃14~18だろう、それに比べて目の前に立つ頭の禿げた男性は明らかに年長者だ。 「……貴方は何者ですか?言葉が通じるのなら、返答して頂きたいのですが」 「へっ?」 俺は思わず、気の抜けた返事をしてしまった。 改めて目の前の男性を見る、相変わらず気を抜かずこちらを見据えて、右手に何か棒のような物を持っている。 周囲は草原、ビルも見えなければカグヅチの光も見えない、そして闇の行き着く先にあった皆既日食のようなものも無い。 何よりも大地が…大地がどこまでも広がっている。 「えーと、あの、すいません。ここ、どこですか?」 「ここはトリステイン、魔法学院の管理する草原です」 「トリステイン?」 「はい」 頭の禿げた人が俺の質問に答えてくれる、最初は警戒心が強そうな怖い人かと思ったが、もしかしたら悪い人じゃないかもしれない。そう考えて俺は照れ隠しに後頭部をポリポリと掻いた。 「!」 照れ隠しの動作にも、頭の禿げた人は過敏に反応する、棒のような物を一瞬だけぶれさせたが、その先端は明らかに俺の胸、首、口を狙っている…って言うかもしかして俺は警戒されているのだろうか? 「あのー、ちょっとお伺いしたいんですが、わたしはどうしてこのような場所にいるんでしょうか」 「……それは、ここトリステイン魔法学院で行われた儀式のためです」 儀式とは、何の儀式だろう?そう思った俺が質問すると、先ほど禿げの男性に下がらせられた少女が俺の前に立ちはだかり、言葉を遮った。 「儀式、ですか。それって何の」 「使い魔召喚の儀式よ! 言葉が通じてるならちゃんと質問に」 「ミス・ヴァリエール!下がりなさい!」 禿頭の男性は、ピンク髪の少女を咄嗟に下がらせた。 どうやらあの少女はミス・ヴァリエールと言うらしい、でもミスってのは未婚の女性のことだよな、ということはヴァリエールって名字か名前だろう。 しかしちょっと待って欲しい、今とても聞き捨てならない単語が出てきた気がする。 「使い魔召喚って…え? じゃあ、まさか俺呼ばれたの!?その、召喚で!?」 「………」 辺りをキョロキョロ見回しながら狼狽える俺を見て呆れたのか、少女は不機嫌そうに眉をひそめて俺を睨んだ。 禿頭の男性も呆気にとられたのか、口を半開きにしている。 「ミスタ・コルベール!召喚のやり直しをさせてください!こんな変な格好をした平民が召喚されるなんて、間違いです!」 「ななな、なんと!」 ヴァリエールという少女が禿頭のミスタ・コルベールに詰め寄る、変な格好とはまた酷い言われようだ、思わず心中で『おまえらの髪の毛の色も変じゃ!』とツッコミを入れたかったが、大人としてちょっと情けない気がしたので我慢した。 「待ちなさい。とにかく、一度オールド・オスマンに相談をしましょう!」 「で、ですが…」 納得いかない、といった顔でこちらの顔を伺う少女と、何か腫れ物をさわるような目つきでこちらをチラ見するコルベールさん。 このままだと話が進まなそうなので、とりあえずこちらからもう一度質問してみた。 「とりあえず、ここに呼ばれた経緯とかをもうちょっと細かく説明してください。それと……あんまり考えたくないんですが、後ろにいるドラゴンとか、うねうねした動物たちも『召喚』されたんですよね?」 「え、ええ」 引きつった笑顔で答えるコルベールさん。その表情にはどこか申し訳なさも感じられた。 それにしても皮肉な物だなあ…と思ってしまう。今まで仲魔を集め、時には力でねじ伏せて言うことを聞かせ、必要な時に呼び出して利用してきた。 そんな自分が召喚されてしまった、これもきっと仕方のない事だろう、いつの間にか俺は半人半魔から、ただの悪魔になってしまったのだ。 ……半人半魔と言えば、ダンテならこの少女にも『格好いい』なんて言われてただろうか?もうちょっと格好いい姿になりたかったなあ。 「とりあえず、トリステイン魔法学院の責任者に会って頂きたいのですが、よろしいですかな?」 変な妄想に囚われた俺に、おそるおそる声をかけてくるコルベールさん。 「わかりました。ええと…コルベールさんでしたっけ」 「はい。自己紹介が遅れました。私はジャン・コルベール。トリステイン魔法学院の教師です。今回行われた『春の召喚の儀式』で引率を勤めています」 「へえ、教師…ってことはこの子も後ろの皆さんも生徒?うわー国際色豊かだなあ」 「国際色ですか…まあ留学生もおりますから、あながち間違いではありませんが。歩きながら話を続けてもよろしいですか?」 「ええ、お願いします。いやあ僕召喚されるなんて初めてなんでびっくりしちゃって…」 ちょっとだけうち解けたのか、コルベールさんは笑顔を見せてくれた。 でもヴァリエールさんは俺を睨んでた、ちょっと悲しい。 このままでは悲しい気もするので、俺は勇気を出して少女の前に手を出した。 「俺は……人修羅。よかったら君の名前も教えてくれないか」 「……ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」 少女の名前は長かった。覚えきれないからルイズと呼ぼう、ルイズちゃんは俺の差し出したてを一瞥すると、不機嫌さを隠さずにそっぽを向いて歩き出してしまった。 …俺はやっぱり変態とか変人だとか思われてるんだろうか、ボルテクス界で洋服拾っておけば良かったかなあ。 ■■■ トリステイン魔法学院は、ハルケギニアというこの世界でも由緒正しい魔法学院らしい。 コルベールさんがそんなことを話してくれた。 折角だから学生だった頃を思い出してコルベール先生と呼ばせてもらうことしたら、ひどく驚いた様子だったが気にしない。 コルベール先生は、ドラゴンを従えた青い髪の小柄な少女と、ポケモンより大きそうな火トカゲを従えた学生とは思えない色気の女性に何かを言付けていた。 青い髪の少女は一言で言ってロリだ。もう一人は赤い髪の毛に褐色の肌、ものすごく健康的な大人の女って感じだ。 二人と、他の生徒さんたちは皆空を飛んで行ってしまった。 人って空を飛べるの!?と驚いた、呆れた。 正直言って、メギドやディアの魔法より、空を飛ぶ魔法を覚えてみたかった。 空を飛ぶ魔法が俺にも使えるなら、是非覚えたい。タケコ○ターで空を飛ぶ夢がちょっと違う形で叶うかもしれないのだから。 前を歩くルイズちゃんを見る、ボリュームのあるピンク色の髪の毛が力なく揺れていた、考えてみればこの子もけっこう綺麗だ、不機嫌そうな表情が笑顔になったらグッと来ちゃうんじゃないだろうか? それにしても髪の毛の色が多種多様でしかも鮮やかだ、染めているのか気になったが、コルベール先生がそれを否定してくれた。 古くから血を継承し続けている貴族は、皆特徴的な色を継承しているらしい、貴族ではないが黒髪の人も茶髪の人もいるとか。 「ところでコルベール先生、俺みたいにこの…模様みたいなのが入った人っていますか?」 「いや…それは私の知る限りでは見たことはありませんね。東方や南方には、こことは異なった風習の人も住んでいると言われています、そういった人達ならあり得るかも知れませんが」 「なるほど」 こんな調子で、コルベールさんはいろんな質問に答えてくれた。 ハルケギニアという世界、東方にあると言われるロバ・アル・カリイエ、ハルケギニアの貴族の祖となった始祖ブリミル。 改めてここが別の世界なんだと思いつつ、空を見上げた。 空は青くて、雲が時々流れてくる。 澄んだ青空の下を歩ける幸福感は、すぐ別の、申し訳ないという感情に変化してしまった。 先生と、千晶、勇……自分のせいで再生することもなく滅んでしまった東京、日本、世界に申し訳が無くて、心の中で『ごめん』と呟いた。 ■■■ 魔法学院の本塔。 ビルみたいに大きい塔の中に、学院長の部屋があった。 コルベール先生に連れられて部屋に入ろうとしたが、その前にルイズちゃんは部屋で待機するようにと言われ、眼鏡をかけたこれまた綺麗な女の人に連れ添われてどこかへ行ってしまった。 エメラルドグリーンの頭髪は、初めて見るとキツイ、けど二~三度まばたきをしているうちに慣れてしまった、だって美人なんだもんあのお姉さん…。 気を取り直して、学院長室に入ると、貴族が魔法を学ぶ学校らしく学院長室も綺麗に整えられていた。 悪魔になる前に、NHKの深夜放送で見たイギリスだかフランスだかのお城の一室に雰囲気が似ている気がする。 「ようこそ。ワシがこのトリステイン魔法学院の学院長オスマンじゃ」 「どうも。はじめまして。僕は人修羅といいます」 俺が名前を名乗ると、オスマンという老人は顎から伸びる長い髭を撫でながら、不思議そうな顔で俺を見た。 くすんだ紺色のローブに、長い杖、長い白髪と、口元をほとんど隠してしまう立派な髭、いかにも魔法使いって感じのオスマンさんを見て、俺は内心で『魔法使いだ!漫画みたいだ!』と叫びながら小躍りしたい気分だった。 とりあえず学院長というぐらいだからオスマン先生と呼ぼう。 「ふーむ……君がミス・ヴァリエールに召喚されたのかね?」 「自分ではよく解らないんですが……コルベール先生が一部始終を見ていたらしいですし、僕も仲魔を召喚していたことがあるので、僕も同じように召喚されたんじゃないかと思っています」 「ふむ。コルベール君から話を聞いたかもしれんが、君のような魔力を持つ存在が召喚された前例は、ワシの知る限りでは存在しないんじゃ。コルベール君が君を警戒したかもしれんが、生徒の安全を思ってのことじゃ、許してくれないかのう」 「はぁ……そうなんですか」 思わずため息をついてしまった。 危険物扱いされているのはうすうす感づいていたが、改めて言われるとちょっとショックだ。 ハルケギニアという世界に聞き覚えはないが、ここにいる人たちは間違いなく『人間』だ。 久しぶりに人間と会話できて喜んでいたが、その人間から危険視されてしまうこの現実が辛かった。 「ところで、俺の扱いはどうなるんですか?召喚された以上は、無茶な事でない限りあのルイズって女の子につきますけど」 俺がそう言うと、コルベール先生とオスマン先生は驚いたような顔をした。 「使い魔になるというのかね?」 オスマン先生はテーブルに肘を突いて、こちらをのぞき込むように身体を前に傾けた。 「条件次第ですかね。コルベール先生が教えてくれましたけど、この世界の使い魔ってメイジと一生を共にするとか……それが僕の考えてる『仲魔』とは違うんで、説明をしてほしいんです」 「ふぅむ…そうじゃなあ、まず、サモン・サーヴァントについて説明しておかねば」 オスマン先生との話では、サモン・サーヴァントは使い魔を『ハルケギニアから呼び出す』ものであり、別の世界から呼び出されることは無いらしい。 それだと自分が呼ばれた説明が付かない…と思ったが、ハルケギニアでアクマが召喚されるようなことでもあれば、俺が呼び出される可能性はゼロではない。 もっともその場合、この世界には俺の仲魔も召喚されているかもしれないのだが……アマラやボルテクス、仲魔などの言葉が知られていないので、その可能性は低いだろう。 何らかの要因で、突発的に、俺だけがこの世界に呼ばれてしまった…そう考えた方がいいかもしれない。 ついでに、『風韻竜』『エルフ』といった単語に心当たりがあるかとも聞かれた。 エルフはまあ存在しないことも無いが、この世界で言われているエルフはサハラという砂漠に住む存在らしいので、俺が知っている仲魔とは違うだろう。 風韻竜についてはまったく心当たりがない、風韻竜とは人語を理解する程の知能を持ち、もはや存在しないと言われる希少種らしい。 『夕飯に中国料理が食べたい』と言って青龍を困らせていた俺には、喋る竜なんて珍しいと思わなかったが、この世界では違うようだ。 話が進み、俺が半人半魔の存在だと話したところで、何かひらめいたのかコルベール先生が「それが原因かもしれません」と呟いた。 亜人と呼ばれる人間に近い存在なら、召喚されることもあるらしい、つまり俺は人間としてではなく悪魔として呼び出されたのではないか…とのことだった。 サモン・サーヴァントで召喚される使い魔は、メイジと一心同体であり、使い魔の契約は一生の物、そして未だ才能の開花しないメイジにとっては、メイジの性質や方向性を決める大事な存在でもあるらしい。 魔法学院では二年目からより専門的な分野の学習をするので、二年生への進級テストを兼ねた使い魔召喚の儀式で、その生徒の力や方向性を見るそうだ。 …俺って何だろ? 車椅子に乗った、金髪の老紳士は俺を見て『新たな闇の悪魔が産まれたのだ』と言ってたから、俺の属性は闇なのだろうか? でも、それはおかしい。 俺が得意とする技『破邪の光弾』はその名前の通り邪悪を排する、けれどその一方で『ベノンザッパー』みたいに毒々しい技も使える、仲魔だって魔神もいれば天使もいる。 あえて言うならカオスだろう。 …ルイズって子は、魔神と神を従えた俺を召喚した。 どういう事だ? 「すみません、あのルイズって子について質問があるんですけど」 ■■■ 「…………。」 人修羅が学院長室で話し込んでいる頃、ルイズは自室の椅子に座っていた。 両手は膝の上で握りしめられており、服にはいくつもの涙の痕がある。 ルイズは泣いていた。 自分が召喚した使い魔が、変な格好の平民だった。 他の同級生達は皆ちゃんとした動物を召喚している、しかもその中には風竜や、サラマンダーまで存在していた。 ルイズは、使い魔召喚の儀式に尋常ならざる意気込みで挑んでいた。 メイジとして、魔法を行使する貴族として、自分の魔法を知る最後の機会がこの『使い魔召喚の儀式』だった。 もし風竜などのドラゴン種が召喚されていたら?きっと意気揚々としてその背に飛び乗り、魔法学院に帰ってきただろう。 だが実際はそんなに甘くなかった。 表れたのは平民、上半身が裸で、黒いズボンをはいていた。 あの奇妙な姿からすると、東の果てや、西の海の向こうに居ると言われる蛮族かもしれない。 しかもそいつは、ミスタ・コルベールの手で学院長室に連れて行かれてしまった。 平民が召喚されるなんて話は古今東西聞いたことがない、たぶん、あの平民の処遇をどうするのかを学院長達が話し合っているのだろう。 …もし、召喚が失敗したとみなされたら、自分は進級できなくなる。 二学年になれず、一学年をやり直すことになる。 使い魔召喚の失敗は、二学年進級試験の失敗でもあるのだから、情けなくて涙が出てくる。 ルイズは思う。 使い魔の召喚に失敗しなければ、今頃は…いや、使い魔の召喚に失敗したなら、やり直せばいい、やり直したい、もう一度召喚すればいい! ルイズはマジカルタクトと呼ばれる杖を手に取り、それを撫でた。 魔法を使うには杖が必要であり、杖がなければ魔法を使うことはできない。 杖に向かって、ルイズは何度も何度も念じた、今度こそ、今度こそ成功してくれと。 「宇宙の果ての、どこかにいる、私の使い魔よ……」 ■■■ 「爆発ですか…そりゃ何て言うか、過激ですね」 人修羅の言葉に、コルベール先生が同意する。 「ええ。原因が全く分からずに難儀しておりますが、とにかくミス・ヴァリエールは魔法が成功せず、いつもいつも爆発させてしまうのです」 そう言いつつ、コルベール先生は杖の先端に灯した火を消した。 先生が簡単な魔法を見せてくれたおかげで、ボルテクス界で使っていた魔法や技とちがう、別の魔法の世界だというのがよく理解できた。 そのお返しとして、吹雪を作る魔法『ブフ』を胸の前だけで行使し、氷を作り出す。 その様子に二人ともものすごく驚いたようだったが、あんな簡単に空を飛ぶこの世界の方が驚きだ。 後で俺も空を飛べるか聞いてみよう。 「ミスタ・人修羅。そちらにとっては不本意かもしれんが、我々はサモン・サーヴァントで呼び出した使い魔を一生のパートナーとする。元の世界に帰す方法は研究されていないのじゃよ。衣食住はこちらで保証するので、返る方法が解るまで大人しくしていてくれないかね」 「人修羅で結構です、ミスタなんて呼ばれるのはなんかむず痒いですし…。それに俺が変なことしたら、俺を呼び出したルイズさん迷惑がかかるでしょう」 「そう言ってくれるとありがたい」 オスマン先生は人の良さそうな笑みを浮かべた、つられて俺も笑顔になる、何て言うかこの人も悪い人じゃ無さそうだ、ボルテクス界で感じたような邪気がまったく感じられないし…。 「あ、そうだ、ルイズさん…じゃなかった、ルイズさんは今後どうするんでしょうか、なんか俺、嫌われちゃったかもしれないんですけど」 「それについてはワシから直接話そう、人修羅…くんを呼び出したというだけでも驚くべき事じゃし、使い魔召喚の儀式を再度行わせるなどして調節することになるじゃろうなあ」 「それが失敗したら落第ですか?」 「…残念じゃがそう言うことになるのう」 「あのう……ルイズさんがなぜ魔法を失敗するのか、それを解決できるか解りませんが…何か手伝えることはありませんか?」 俺の言葉に、オスマン先生とコルベール先生がまたもや驚いた顔をする。 もしかして俺は甘い言葉で小学生を誘拐する誘拐犯のような存在だと思われてるんだろうか、だとしたら凄くショックだ。 「すまんが、こちらから質問させてくれんか、君はなぜそこまでしてくれるのだね?」 オスマン先生がテーブルに肘を突いて、身を乗り出すようにして質問してきた。 「…まあ、先ほども説明しましたけど、世界を破滅させて作り替える儀式に巻き込まれて、半分悪魔になってしまった俺は、人間のいない世界で悪魔や精霊や妖精や… とにかく人間とは違う存在と戦ったり、仲魔になったりして暮らしてきたんです。久しぶりに人間に会えたんですから、その機会をくれたルイズさんには感謝しないと」 「なんとまあ。いまどき見上げた心がけじゃなあ」 呆れたように呟くオスマン先生。 「いやはや、人は見かけによらないと言いますが…。」 こちらも呆れたように呟くコルベール先生。 二人とも俺のことどんな風に見てたんだろう。 苦笑いを浮かべた俺の目の前に、光り輝く鏡のようなものが突然あらわれた。 ■■■ 目の前には、サモン・サーヴァントによって開かれた、使い魔召喚のゲートが浮かんでいる。 部屋の中に大きな使い魔が召喚されたらどうなってしまうのか、まったく考えていなかった。 ルイズは、自分の部屋の中にあらわれた召喚ゲートをまじまじと見つめた。 いったいここから、何が出てくるのだろうか、小さな猫だろうか、ネズミだろうか、トカゲだろうか、それとも大きなミノタウロスやドラゴンだろうか、それとも亜人だろうか? ゲートが開かれてからまだ十秒しか経っていないのに、ルイズにとってはそれが一時間にも感じられた。 頭の中では、めまぐるしい勢いで、いろいろな言葉が浮かんでいる。 その中には八つ当たりもあり、始祖ブリミルへの懇願もあった。 (どんな使い魔でも文句は言いません!だから、今度こそ成功してっ……) ルイズは、泣きはらした眼と、まぶたの周辺を赤く腫れさせながら、唇をかみしめて必死で祈っていた。 そこに、ぬっ…と、先ほどと同じ奇妙な格好をした平民が、身体にいくつもの線を描いた平民が姿を現した。 ■■■ ゲートをくぐり抜けると、そこにはルイズさんがいた。 ルイズさんは、この世界では高校二年に相当する年齢らしい、あの草原で見かけた青い髪の毛の少女は、この娘よりさらに小さかったが、発育の差異だと思えば納得できる。 そんなことを考えながら、ルイズさんの前に立つ。 薄暗い部屋の中で、俺の身体を走るいくつもの線が青白く、ぼんやりと光を放っていた。 呆然としていたルイズさんは、はぁとため息をつくと、右手に掲げていた杖を力なく降ろした。 落胆されている。そう感じた俺は、どんな風に声をかけて良いか思いつかないまま、膝を突いて目線を合わせた。 『使い魔になってやろう!』では傲慢すぎる。 『使い魔にしてください』ではちょっと俺の立場が弱くなるかもしれない。 『踏んでください!』だめだ、俺にそんな趣味はない、無いはずだ。 俺は、上手い言葉が思いつかないので、そっとルイズさんの右手を左手で優しく掴み、その上に右手を重ねて、ルイズさんの手のひらを包み込んだ。 「ルイズさん…だよね。改めてこんにちは。俺は『人修羅』。今後とも、よろしく…」 第一話おわり 前ページ次ページアクマがこんにちわ
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コモリビア 概要 コモリビアは主にTwitterで活動していた日本のポーランドボーラーである。現在はアカウントを削除している。 基本情報 コモリビア 日本のPBer imageプラグインエラー 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 アカウント開設 2020年7月 フォロワー数 680人(2022年7月現在) URL Twitter 作品の特徴 デジタル描きで、強めな絵柄に描かれている。特に細かいところを描いている
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削除
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メリー=ゴーランド (CV:堀内賢雄) 遊園地のオーナー。 洒落のような名前の男で、ゴーランドさんと呼ばれている。 メリーという名前は嫌がって教えようとしないが、秘密は周知と化している。 音楽センスはゼロよりマイナス寄り。 ※ うろ覚えのため、補足お願いします ※ ゴーランド関連イベント ◆お茶会(ゴーランド/帽子屋)CG有り 強制発生イベント。 ※遊園地滞在中、帽子屋に1度以上会った状態でゴーランド回想12の後。 合計3回発生。2回目は帽子屋イベント1の後(ゴーランド回想15の後・帽子屋ハート1で発生確認)、3回目はイベント2の後(ゴーランド回想20の後、ハート2) ◆意外な友達(ゴーランド/ユリウス)CG有り 強制発生イベント。 ※遊園地滞在中、ゴーランドと平行してユリウスの好感度を上げる? 1「請けた仕事は以上だな」(ゴーランド回想5の後・ユリウスハート1未満) 2「・・・・・帰る」(ユリウスイベント1の後・ユリウスハート1) ◆遊園地引き回し(ボリス/ゴーランド)CG有り 強制発生連作イベント。 合計3回発生。 ※遊園地滞在中、ボリスと並行してゴーランドの好感度を上げる ゴーランドイベント ※遊園地滞在中のみ攻略可能。 回想1は10ターン目以降でないと発生しません。(8ターン目で発生確認しました) 21~23は舞踏会前に20までイベントを見ないと発生しません。 舞踏会後に23までイベントを見ないとENDが発生しません。 ◆舞踏会前 回想1(昼)「ここでの生活は...」 回想2(昼)「いやあ・・・家主としては...」 回想3(昼)「どれが聴きたい?」 回想4(昼)「今日は、どれにするかな~...」 回想5(昼)「いいからいいから、聴かせろよ...」 回想6(昼)「今度はこれを演奏してみてくれよ」 回想7(昼)「・・・禁断の愛か」 回想8(夜)「焦っていいことなんかないぜ」 回想9(夜)「泣きたいときは、泣いたほうがいいぞ」 回想10(夜)「こんなのとよく一緒に...」 回想11(夜)「噂を知っていたの?」 回想12(昼)「オーナーと付き合ってるんですよねー!」 回想13(昼)「ここの従業員には逆らえないって?」 回想14(昼)「俺のことは警戒しないのに...」 回想15(夜)「な・・・に?」 回想16(夜)「あんたが安心するっていうから...」 回想17(夜)「・・・・・・なに」 回想18(夜)「・・・顔、赤いぜ?」 回想19(夕方)「で・・・?」 回想20(夜)「なでなで。」 ◆舞踏会 舞踏会A 白ウサギのハート3以上で、ゴーランド回想20が済んでいる ※選択肢で「受け入れる」を選ぶ 舞踏会B 上記選択肢で「拒否する」を選ぶ ※ダンスを続ける/切り上げるでそれぞれ別のCG有り。 ◆舞踏会後 回想21(夕方)「あんたに触っていると...」 回想22(夕方)「あんたって、消えちまいそうだ」 回想23(夕方)「帰らないよな?」 ゴーランドEND
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何かあったら追加しろ お前らが歴史を作っていくんやで 日付 詳細 12月24日 ネトゲスレにて調査中当該ゲームを発見 でんせつがはじまった瞬間である 12月25日 VIPの先遣隊が先住民を発見 その圧倒的な火力に蹂躙される はー汗しね 12月31日 年越しVIP戦 ロビーチャットにてhappy New Yearを祝うも空気の読めない外人によりnot yetと言われる 1月1日 kuzudomo akeome ^^ 前年12月後半から1月1~2日 この頃大量のポーランド人が来襲 あまりの多さに鯖が妊娠し新規ちゃんが閉めだされるポーランド版4gamerというべきサイトに紹介されたらしい しね 1月2日 我らのunkovipが外人に恐れられる 敗北を知りたい 1月2日 同日4時頃VIP戦を行おうとするが荒ぶるポーランド人が流入 いくつかのVIPPERはポーランドに取り込まれたポーランドは来んな^^ 1月2日 18時頃謎の緊急アップデート バグ修正か新要素か色めき立つVIPPER→ロビーのチャットを消しました^^ガレージ床オナバグは健在 クソアプデでした だがポーランド語を消したのは褒めてやる 1月2日深夜 相変わらずログインオンライン継続中 だが予想外のポーランドの侵略によりついに蔵ダウンロードすら制限 鯖貧弱ってレベルじゃねーぞ! 同日同時刻 ついにエラーページにポーランド語表記が追加 まじでなんとかしろ 1月4日 ブロック埋め込みキャノンがバグだと発覚 vipperがbanされた かなしみ 1月4日同時刻 クソアプデ再来 キャノンの値段あげました^^ しねハゲ鯖強化しろ 1月4日同時刻 被害はキャノンだけではなかった模様 アーマー以外のブロックガレージ全部値上げ 尋常じゃない値段に跳ね上がったなお糞鯖はそのままの模様 しねクソ運営ポーランドなんとかしろハゲ 1月6日 ガレージが急に値下げされ何故か250GCに 1月7日 Aceship omaetati ha from japan? 同日深夜 正義感に燃えた一般外人がバグ利用やそれに準ずるユーザーをフォーラムで晒し始めるちなみにその中にVIPPERが二人いた 1月8日 突然のメンテナンス突入にアップデートを期待するVIPPER しかしアーマーブロックが値上げされただけで終わる 同日夜 長く使い続けたせいで臭いが染み付いたコメテオ避難所を閉鎖 パー速いこね 同日夜 イス妖怪DEADMETALが動く 1月9日 突然ユーザー2000人制限かかってログイン出来ない奴 1月10日 鯖メンテによりスレが阿鼻叫喚 キャノンの装甲が超強化&威力が強化される さらにマッチングシステムが変更 モデレータ作成のPVでVIPPERの姿が多数確認される 1月15日 viptanakaが放置プレイを始める 何故か新規が増え始める viptanakaなど放置が大量にBANされる アイテム増殖が何とか騒いでスレの気を引こうとする醜態を晒す 1月16日 extraもBANされそうざまあ アプデで俺たち歓喜 1月17日 アプデが来る 放置稼ぎ対策に「なにもしていないとRPが全く入らない」仕様になったが与ダメージボーナスが何も変わっていないため結局収入が激減するような仕様に 1月20日 「俺が見たことないやつがいきなりTier10にいる!チートだ!」という恐ろしい理由でvipperがフォーラムに晒されるhttp //robocraftgame.com/forums/topic/tobiuo-another-cheater/ 1月23日 運営による華麗なクソアプデによりフロント砲台が産廃と化す 1月27日 この頃からニコニコで配信するアホが出始めIP流入が始まる 動画にvikiのうrlまで貼る始末やっぱニコ厨はクソ 1月28日 ニコカスが大量に沸いてvikiが死ぬ とうとうスレにまでIPが湧き始めたのでvikiを更地に 2月 2日 新viki誕生 同じ道を辿らされるのかそれとも 2月 5日 クソ運営による華麗なクソアプデ 俺たちのロボクラはどこにいったんだ 2月 7日 怒涛のクソアプデ二連発によって課金VIPPERは目の前が真っ暗になったクソアプデのクソなところブロックの硬さが均等になった。これにより初期ブロ積みまくったデカイ豆腐がさいつよになり最上級ブロックで硬さを補っていたゴキブリが死滅した。ブロックの強度が紙になったのにキャノン強すぎ。どんだけブロック積んでても一瞬でハゲる死ね。結論 クソ運営を殺せ。 2月 13日 4chanでVIPの話題がちょくちょく出ていることが発覚しそれをきっかけに向こうの住人との交流が行われたイェ~イ見てる~? 2月 17日 遂に小隊アップデートが来たが、そのクソ仕様により天下のヘリカス時代に突入した 6月頃 ついにブレード実装!!!レールガンとかもあるし楽しいね!!!!!そしてVIP民は死んだ来月からほんきだす 12月頃 VIPdeロボクラ1周年しかし祝う人は誰もいなかった悲しいね
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タイピングという単語を多言語に翻訳しました。 情報検索用にご使用ください。 (英語に機械翻訳する際に翻訳精度が良いと思われるものに○を付けました。 例えばGoogleChromeを使っている場合、右上に翻訳しますか?と表示されるので 英語に翻訳するを選択すれば○が付いている言語は十分実用に耐えると思います。) 英語 Typing ○ドイツ語 Tippen ○スペイン語 Mecanografía dactilografía ○フランス語 dactylographie ○イタリア語 dattilografia ○ポルトガル語 digitação datilografia ○オランダ語 typen ○スウェーデン語 maskinskrivning ○ノルウェー語 type フィンランド語 konekirjoitus ○デンマーク語 maskinskrivning ○ロシア語 печатать ○ポーランド語 pisanie na maszynie ○チェコ語 psaní na stroji ハンガリー語 gépelés ○ルーマニア語 dactilografiere ギリシャ語 πληκτρολογώ トルコ語 yazarak アラビア語 الطباعة ヒンディー語 टाइपिंग 中国語 键入 打字 韓国語 타이핑 (日本語に翻訳する際の翻訳精度はかなり良い) ○インドネシア語 Mengetik ketikan 多言語
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#blognavi 今日も朝から学校へ。 午前中で気力が消えたので、昼休みに早速ゲーセンへw またまたCPU相手に青子練習してました。 今回は昨日知った、パワーゲイザー固めの練習。 見た目はいいのですが、CPUがノーガード戦法とって来るので固まってるのかどうか分かりませんでしたw 午後は学校に戻ってパソコン練習。 今回は寸法記入のみという楽さで助かりました^^ それから構内を友人と歩いていると果汁さんと遭遇w 校舎一緒なのに会ったのはこれが初めてです。 これはなかなかビビリましたw 困ったのは呼び方w学校でいきなり「果汁さん」とか言ったらヤバすぎですw 今度からは、見かけたら苗字で呼びますねw それからは友人と上野で(またまたw)ラーメンを食したあと秋葉へ。 最初はHEY?で青子練習。 なんか最近青子しか使ってない気がしますw 青子を練習したあとは秋葉セガでガチってました。 着いたらSATさんが居てかなりビビリましたw 何かと遭遇確率が高い気がします。 SATさんはサクサクっと勝ちまくって帰ってしまいましたw 俺は…久しぶりにレン投入!!(友人のリクエストにより…) 久々にやりましたが、そこまで鈍ってはいないと…思いますw 今日の対戦で一番凄かったのは翡翠使いの方。 投げと昇り中段でしかダメージ取れませんでしたw ほんとスカシも見切られてるし、固めは軽く相殺あわせて抜けてくるわでやばすぎでしたw こんな相手と戦えるなんて最高でした^^ ではそんな感じで。 俺の考えてるマナーでも(一応) 誤解を受けるといけないので一応。 避け~一回は「挨拶」と考えてます。やってもらえたら返します。 連打は「挑発」と考えてます。やられても無視しますw(ただし、レン限定) JA連打~基本はしないです。壁際でカウンター狙って刻むことはあります。(やられるのはかまいません。) プリティウォーク~挑発じゃありませんwこれは、かなり使える技ですので… 魅せコン~対人では封印してます。壁際の投げるやつはダメ上げ。EXフルール二回当ては、起き攻め用です。 カテゴリ [メルブラ] - trackback- 2006年04月14日 20 23 44 TOG君大事なのが抜けてるぞ~、それはネロの2Bをシールドすることだーヽ(`Д´)ノやられたら嫌な人も・・・僕はやられてもなんだか気持ちよくなってきます(*´ω`)まあTOG君ならシキのA連打でも許されますよ~ -- 最終 (2006-04-14 22 31 29) あれはビビったよ。しかも会った場所がトイレて。こっちも「おぉTOG君」とか言いそうになって怖かったw 今度講義の後MBACしにいこー。 -- 果汁 (2006-04-15 03 12 13) いや、シールドはぜんぜんいいと思うけど。w避け挨拶は練武でも推してますね。w避け連打してくるやつはフルボッコかまします。^^EX氷→PWB→5A~もきっと舐めプレイじゃn(殴 -- ヨミ@EFZ推進派 (2006-04-15 15 08 18) >最終さん 2Bシールドは…。場合によりますねwロンド固めに出してくる人だと多段で取らないと刺さる気がして取ってしまいますw気をつけて一回で取れるか試してみます^^>果汁さん ビビリますよねw講義のあと行きましょ~。俺は大抵毎日行ってますのでいつでも大丈夫です^^>ヨミさん レン部にそういう意味もあったとはw(知りませんでしたw)PWBの連携は…認めて欲しいですよねwただダメが0ってのが…w(空中受身狩りが狙えるといけそうなのですが…) -- TOG (2006-04-16 00 32 08) 私は開幕避けはしない派ですね〜1回でも挑発に受け取った輩がいたので。あと七夜とかでエリアル決める→避け エリアル決める→避け とかをみてましたが。やってて何か意味があるのやらはて‥^^;今週は秋葉にきます?私はおそらく木曜昼間にすこし‥ -- 管島 (2006-04-16 17 21 24) >管島さん 一回で挑発に受け取られるのは知りませんでした!!自分からは絶対にしないように気をつけます。七夜の「エリアル→避け」は…その人が挑発ってことを知らないのではないかな…という気がします。本当に挑発やりたいなら相手が固まってない状態でリスク背負ってやるべきだと思うので。秋葉は…昼は多分いけそうにないです(T T)。俺は、学校帰りなら呼ばれればいつでも駆けつけますw -- TOG (2006-04-16 22 39 24) 名前 コメント #blognavi
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前ページ次ページアクマがこんにちわ 「わたしは二年生のルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。今日からあんたのご主人様よ。覚えておきなさい!」 こんにちは人修羅です。 前回、やさしく掴んだはずの右手で思いっきりぶん殴られ、こんなことを言われました、人修羅です。 なんか俺、俺を呼び出した少女に思いっきり嫌われたみたいです、鬱です…。 「……なんで平民のあんたは、のこのこ召喚されたの?」 「学院長室でいろいろ話を聞いてたんだが……目の前に今のゲートが表れてね。コルベール先生が召喚のゲートだと教えてくれたんだ、誰が俺を呼んでるんだろうか見るつもりでくぐり抜けたんだけどね」 俺がそう言うと、ルイズさんは思いっきり落胆したようで、はぁ~と長いため息をついた。 長い息の猫がいたら気が合ったかもしれない。 「このヴァリエール家の三女が……。由緒正しい旧い家柄を誇る貴族のわたしが、なんであんたみたいなのを使い魔にしなくちゃなんないの?」 「そんなこと言われてもなあ」 「……契約の方法が、キスなんて…」 「そんなこと言われても…って、何だって?」 聞き間違いでなければ、契約の方法がキスだとか言っていたはずだ。 俺は改めてルイズさんの顔を見た、すっっっっっごく不満そうな目でこっちを見ている。 対して俺は無表情になっていると思うが、内心は穏やかでなかった、だって心臓がバクバク鳴ってるんだもの。 シンジュク衛生病院で出会ったピクシー、彼女は甘えん坊で、よく俺にほおずりをしてきた。 でもキスはしてない。 他にもサッキュバスとかティターニアとか綺麗な女性(女神)の仲魔はいたけど、何て言うか、恥ずかしくて手を出したことはない、だって俺チェリーなんだもの…。 「……先ほど、オスマン先生は、今すぐに契約する必要はないと言っていた。俺もこの世界のことはよく分からないしな、時間をかけて理解してくれればいい」 「そう、そうなの」 何を納得したのかよく分からないが、ルイズさんはそう言って、悔しそうに歯をかみしめて俯いてしまった。 何か悪いことしただろうか。 コンコン、とノックの音が聞こえ、続いて男性の声がする。 「ミス・ヴァリエール。コルベールです。」 「…はい」 ルイズさんは頼りない声で返事をすると、部屋の扉を開けた。 「おお、やはり人修羅さんもこちらでしたか、今後のことについてミス・ヴァリエールを交えて話をしたいのです、学院長室に来て頂けますかな」 「ええ。かまいません」 「…はい」 ルイズさんはやはり元気が無さそうだ、大丈夫かな。 ■■■ わたしは、学院長の部屋で、呆然としていた。 今日だけでもいろいろな事が起こりすぎて、頭が疲れていたのかもしれない。 私が変な格好の平民だと思っていた男は、ハルケギニアとは違う世界で、学校に通っていた経験があるらしい。 だけど、何かの争いに巻き込まれて友達は皆死んでしまい、学校という物に未練を持ち続けていたそうだ。 彼が呼ばれたのはそのせいかもしれない、とコルベール先生が説明していた。 人修羅が持っていたマジックアイテムも不思議だった、人修羅の説明では、魔力を一瞬で回復させる秘薬や、使っても使っても無くならない不思議な治癒薬、どんな毒でも治せる解毒薬、魔法を封じ込めた石などがあった。 コルベール先生は、人修羅を『幾多の戦いを乗り越えた戦士』だと評していたが、私には人修羅が『頼りない』存在にしか見えなかった。 一通りの説明を受けた後、人修羅と契約を行うか否かは私の手にゆだねられる事になった。 私は『時間を下さい』としか言えなかった。 ■■■ 夜、ルイズは人修羅に、メイジとは何か、貴族とは何か、使い魔とは何かを説明していた。 「…つまり、使い魔は感覚を共有したり、秘薬の素を探したり、主人の身を守ったりするの」 「なるほどー。契約はしてないから感覚の共有はできない。この世界の秘薬を俺は知らないし。まあ、ある程度なら身を守ることはできるかもしれないな」 「はあ…さっきから『かもしれない』ばかりで、あんた本当に戦士なの? まあ、何度召喚しても貴方がゲートから出てくるから、今更あなたに帰れとは言えないけど」 「何年も戦ってたのは事実だけど、この世界のことはまだよく分からないから……。それに敵の実力を見誤って、仲魔を怪我させたこともあるんだ、大事な物を一つの怪我もなく守りきれるとは思ってないよ」 「…やっぱり頼りないわ」 「耳が痛いなあ」 人修羅はルイズとの会話の中で、仲間が傷ついた時のを思い出した。 ピクシーが万能属性の最大魔法『メギドラオン』でやられた時、人修羅は死者をも生き返らせる『反魂神珠』のことも忘れて狼狽えていた。 冷静に考えれば解ることなのに、感情に流されて狼狽えてしまう自分が止められない、それは人修羅の強さでもありながら弱さでもあった。 何が起こるか解らない、だからこそこの世界でも、誰かを守ると思ったら決して油断できない。 そんなことを考えている内に、ルイズが大きなため息をついた。 「はぁー…もう疲れたわ、今日はもう寝るわよ」 「じゃあ、俺は外で寝るよ」 「何言ってるの、あんたはちゃんと明日の朝私を起こすのよ。それと、脱いだ服は洗濯しておいてね」 あろうことはルイズはその場で服を脱ぎ始めた。 「…!? …!! ■○◇??+!!?」 「おやすみなさい、ああ、それと古くなった毛布を一枚あげるから、これを使っていいわよ」 ルイズはネグリジェに着替えると、脱ぎ捨てた服と下着、それとタンスの中に入っていた薄手の毛布を人修羅に投げた。 そのままベッドにはいると、指をぱちんと鳴らしてランプの明かりを消す、どうやらこの部屋を照らしていたランプはマジックアイテムらしい。 「………デカルチャー」 人修羅はそう呟くと、薄ぼんやりと光を発する身体を包み隠すように毛布を自分に巻き付けて、体育座りのようなポーズで部屋の隅に座った。 (うわあこの毛布、フローラルな香りがする、これって女の子の臭いなんだろうか、それとも香水の香りなんだろうか……まずいなあ俺実は臭いフェチ?これじゃ本当に変態じゃないか…) 人修羅は、ルイズに協力しようと思ったことを、ちょっとだけ後悔していた。 ■■■ 翌朝、人修羅はいつの間にか眠っていたが、朝日が窓から部屋に差し込んだ瞬間にぱちりと目が覚めた。 瞬間的な覚醒は、人間の身体だったころとは大違いだった、遅刻ギリギリで通学路を走っていた人間は、周囲の環境の変化ですぐに目を覚ましてしまう悪魔になっていた。 「朝か」 窓から空を見ると、まだ朝日が昇って間もないのか、昨日と比べてずいぶん薄暗い気がした、とりあえず床に脱ぎ散らかされた下着や靴下などをひとまとめにして脇に抱え持った。 ドアノブに手をかけ、廊下に出ようと思ったところで、ふと考える。 自分は今半裸だ、上半身裸で、入れ墨にしか見えない模様が体中にある。 他人が俺を見たらどう思うか…ちょっと想像してみた。 『下着を持った全身入れ墨男』 どくん、どくんと、心臓が鳴る。 自分が動揺しているのが解る、体中の魔力が冷や汗と共に対外に漏れだしている感じがした。 ふと自分の腕を見ると、技を放つ時のように、体中の魔力が体表面に満ちて、肌色の部分までもが黒くなっていた。 「落ち着け、落ち着け俺。誰かに見られても、説明すれば変態じゃないって解ってくれるさ」 そう小声で呟いて扉を開け、廊下に出る。 ふと左を見ると、そこには杖を構えた褐色肌の女性がいて、俺をキッとにらみつけていた。 なんで? ■■■ 「!!?」 朝、突然隣の部屋から何か得体の知れない力が流れ込んでくる気がした。 何が起こったのか解らなかったが、それが隣の部屋から突然流れ得てきたのには気付くことができた。 廊下に向かって右手側は、ヴァリエールの部屋、そしてその部屋には昨日召喚された男がいたはず。 昨日召喚された男は、途方もない力を持っていると、直感的に理解できた。 あのとき私が召喚した使い魔の、『フレイム』も、男から目を離すことができずにいた。 自分もそうだ、ただそこに存在しているだけで空間が歪むような、そんな力の本流がルイズの召喚ゲートから現れ、目が離せなかった。 ミスタ・コルベールがオールド・オスマンの元に、男を連れて行ったが…その時にはあの驚くべき熱風とも冷水ともつかない力の本流はなりを潜めていた。 それが今、突然あらわれたのだ、もしかしたらあの男がヴァリエールに何かをしたのではないか? 無謀だと思いつつも、キュルケは杖を手にして、ネグリジェ姿のまま廊下に飛び出した。 ほぼ同時にルイズの部屋の扉が開かれ、中から例の男が姿を現した、その手にはなぜかルイズの服…というか下着が抱えられていた。 ■■■ 「…」 顔が赤くなっている、気がする。 昨日、あの草原で見た覚えのある、赤毛で褐色肌の大人なおねーさんが、スケスケなネッネッネッネッネグリジェ!を着てこっちに杖を向けている。 落ち着け俺。 落ち着け、サッキュバスがよく迫ってきたじゃないか、それに比べればなんて事はないはずだ、でも呼び出したサッキュバスはなぜかいつもレオタード姿で俺に迫ってきた。 それに比べて、どうよ、赤毛に褐色肌、放漫なおっぱいにくびれたウエスト、やばいよこれは直視するのは恥ずかしいよ!エッチ臭いよ! 「…服は着た方がいいと思うぞ」 かろうじてそれだけ声を出す、だが目の前の女性は、なおも俺に警戒心の強い視線を向け続けている。 「ひとつ、聞きたいんだが」 「……」 「下着を洗濯しろと言われたんだが、洗濯場所とかあったら教えてほしい」 「……洗濯?」 「そうだ、よく分からないんだが、これも使い魔の仕事らしいから」 「……はあ」 さっきとはうってかわって、呆れたような視線で俺を見る。 やめてくれよ、そんな目で見ないでクレヨ! 年頃の女の子の下着を洗うなんて、俺だって困ってるんだから! 「いいわ、教えてあげる。でも一つだけ聞かせて…さっきの力は何?」 「さっきの力?…ああ、そうか、もしかしたら寝てるのを邪魔してしまったかな」 「何をしたの?身体から勝手に火が出るかと思ったわよ」 俺は少しの間沈黙した、正直に言おうか迷ったからだ、だが、今ここで変な嘘をつくより、正直に言った方がきっと信じてくれる…そう思った。 「この格好で外に出て下着を洗ったら、俺はどんな目で見られるのかと思ったんだ、好きでこんな格好をしている訳じゃないのに、変態だとか言われたら、俺…」 「わ、わかったわ、わかったわよ、ヴァリエールにに危害を加えた訳じゃないのね」 「…むしろ危害を加えられてる気がする」 諦めたような口調でそう言うと、目の前の女性は杖を降ろして、大きなため息をついた。 「まあ仕方ないわね。私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーよ。私を呼ぶ時はキュルケで良いわ。貴方は?」 「俺は人修羅だ。よろしく。…ところでいいかげん服を着た方が良いと思うんだが」 「あら、心配してくださるのかしら?ミスタ・ヒトシュラは意外と紳士なのね、すぐ案内してあげるからちょっと待っててくださるかしら」 「助かるよ、ありがとう。それと俺は呼び捨てで良いよ」 部屋に入ったキュルケさんは、ゆったりとした作りのワンピースを着て部屋から出てきた、ルイズさんの部屋のお隣さんは、いい人のようだ。 ううっ…人情が目にしみて涙が出そう。 ■■■ ここトリステイン魔法学院は、空から見ると五角形の形の塀に囲まれているらしい。 それぞれの頂点は塔になっており、それぞれが学生寮などに使われている。 中央の本塔は学院長室や宝物庫、そして食堂があるのだとか。 俺はキュルケさんに案内されて本塔の食堂にやってきた、ここなら朝早くからも人がいるので、話を聞いて貰うには丁度良いそうな。 キュルケさんが、ここで働いている平民の人に声をかけた、よく見るとその人はメイドさんで、黒髪の綺麗な女の子だった。 大和撫子がメイド服を着た感じで、俺は内心穏やかじゃなかった俺、女物の下着を抱えたままで顔を真っ赤にしてたらきっと変態だと思われるから冷静を装っていた、必死で。 俺に代わってキュルケさんが説明してくれたおかげで、変態だと思われることなく、魔法学院付きのメイドさんに洗濯場所を教えて貰うことができた。 俺は『悪い魔法使いの手でこんな姿にされた』らしい。 それを聞いたメイドさんは哀れむような視線で俺を見つめていた。 ところでお洗濯のことだが、メイドさんが言うには、素人にシルクの下着を洗わせたら下着が駄目になってしまうらしい、下着はデリケートなんだとか… 洗ってくれるというメイドさんの申し出が有り難かった、申し訳ないけど。 もしかしたら人生で一番幸福な瞬間ってこういう事を言うんじゃないだろうか。 「それじゃ、私は戻るわ。またね人修羅」 「ああ、ありがとう」 キュルケさんが手を振って部屋へと戻っていく、俺は同じように右手の平を見せて手を振った。 「それでは、洗濯物をお預かりします」 「あの、もし良かったら洗濯場所とか教えてくれないかな、水くみ場とかも教えてくれると嬉しいんだ。いつまでも頼ってたら怒られちゃうしね」 「わかりました、こちらです」 「ありがとう。えーと…」 「私はシエスタです、この学院で厨房付きのメイドをしています。そちらはミスタ・人修羅でよろしいですか?」 「ミスタはいらないよ、呼び捨てにして貰って構わない。よろしくねシエスタ」 「はい」 魔法学院の敷地は、正五角形の頂点に塔があり、塔と塔が塀で結ばれている。 ルイズさんとキュルケさんの住む『寮塔』と、『水の塔』の中間に門が作られており、そこが魔法学院の正門になっている。 使用人の宿舎は正門から向かって右側の『水の塔』とその奥にある『風の塔』の中間に建てられていた、魔法学院の外壁沿いにあるそれは、二階建ての大きな洋風建築であり、右手側に大きな煙突が伸びている。 俺は使用人の宿舎前で、朝日に照らされる本塔を見上げた。 ボルテクス界に変貌した東京とは違い、その建物の姿は清々しさと、ほんの少しのファンタジー臭いを併せ持っていた。 「お待たせ致しました」 「あ、荷物があったんだ。お礼に俺が運ぶよ」 使用人宿舎から出てきたシエスタは木箱を持っていた。 俺はそれをひょいと持ち上げる。 「あ、いけません、人修羅さんはミス・ヴァリエールの使い魔さんですから、そんなことをやらせるわけには…」 「いいって、困った時はお互い様さ」 シエスタは、ちょっとだけ困ったような顔をしたが、すぐに笑顔を見せてくれた。 「ありがとうございます。人修羅さんって、優しいんですね。噂とは大違いです」 「…そうでもないよ。て、ちょっと待ってくれ、噂って何?」 「あ」 シエスタは口を開けて、しまった、と言わんばかりの顔をした。 俺は歩きながら、なるべく優しい口調で、シエスタに噂というのがなんなのか聞いてみることにした。 「この格好は好きでなった訳じゃないんだ、変だと思われるのは解る。言いにくいかも知れないけど、できればその噂がどんなものか教えてくれないか? もし何か誤解されてたら困るからさ」 「はい…あの、夕食の時に貴族様が噂話をしていらしたんですが…東方の蛮族だとか、南方の怪しい部族だとか…」 「あー、まあ、そりゃしょうがないね。この格好じゃなあ」 正直、魔王とか化け物とか言われてたらショックで落ち込むところだった。 シエスタは俺に噂の内容を教えてくれたので、俺の正体を明かしたい…が、俺が悪魔と一体化した人間だと説明しても、怖がるか嘘だと思われるかのどちらかだろう。 俺は苦笑いしてから「気にしてないよ」と言うだけに留めておいた。 ■■■ 「おーい、起きてくれー。 るいずさーん、目を覚ましてくれー。 八時だよ!全員集合!」 「うぅん…何よもう、うるさいわね…きゃああああ!?」 「あ、起きた」 目を覚ましたルイズが見たものは、前身に変な模様が描かれた、人間の男だった。 ベッドから転げ落ちそうになったルイズは、慌てて毛布を引っ張り、身体を隠す。 「ななな、何よあんた!」 「あんたとは失礼な!自分で召喚しておいてそれはないでしょうが!」 「召喚?……ああ、そっか、昨日あんたを召喚したのよね、驚いたわ…」 ルイズは気を取り直して起きあがると、欠伸をしてから人修羅に着替えを手伝うよう指示した。 「服」 人修羅は椅子にかけられたままの制服を、ルイズの脇に置くと、ルイズはだるそうにネグリジェを脱ぎ始めた。 「………」 人修羅は鼻の下を伸ばす暇もなく、呆れた。 「下着」 「し、下着ぐらい自分で取った方が…」 「口答えしないの! そこのクローゼットのー…、一番下の引き出しに入ってるから」 想像を絶する美しさの女神や、男を魅了して止まないサッキュバスに迫られた経験のある人修羅でも、同年代の着替えは狼狽える。 実際には何十年も戦い続け、既に人間の寿命を超えている人修羅だが、あくまでも感性の基準は高校生のままだった。 人修羅は同世代の女の子のクローゼットを開け、中に入る下着を手渡すという、背徳的なドキドキ感を楽しむ余裕もなく、無言で下着を手渡した。 ルイズは下着を身につけると、再びだるそうに咳いた。 「服」 「横に置いたよ」 「着せて」 おいおいマジかよ、と思いつつ振り向くと、下着姿のルイズが眠そうな眼をしてベッドに座っていた。 今朝廊下で会ったキュルケさんといい、この世界の貴族はこんなにも目のやり場に困る存在なんだろうか、それとも俺がおかしいんだろうか。 「平民のあんたは知らないだろうけど、貴族は下僕がいる時は自分で服なんて着ないのよ」 というルイズの言葉を聞き、これは文化の違いだから仕方がないと思って諦めたのか、人修羅は無言で着替えを手伝い始めた。 「男に着替えさせるなんてはしたないなあ」 「何よ、平民のくせに。そんな生意気な使い魔にはお仕置きよ。朝ごはんヌキね」 ルイズは指を立てて、勝ち誇ったように言った。 人修羅は悪魔であり、人間ではない、しかし人間の部分も保持している。 そのため腹が減る、腹が減っても生き続けられるし、空腹感を魔力で誤魔化すこともできるが、なるべくなら『食事』だけは人間に近い感性を残しておきたかった。 だから人修羅は腹が減る。 人修羅はため息をつきつつ、近くの森で食べられそうなものを探した方がいいかもしれない…と考えていた。 ■■■ ルイズと人修羅が部屋を出ると、向かい側にはこの部屋と同じような、木でできたドアが壁に三つ並んでいた。 今朝はキュルケさんに驚かされて、この塔がどんな作りだったのか調べていなかったなぁ…と思いつつあたりを見回すと、隣の部屋からキュルケさんが姿を現した。 ルイズさんと比べると、背が高くて色気もムンムン、窓から差し込む光は彫りが深い顔と突き出たバストを強調させていた。 ルイズと同じ制服のブラウスを着ているが 一番上と二番目のボタンを外し、胸元を覗かせている。 実は夜魔やサッキュバスの血を引いてるんじゃないだろうか、とまで思ってしまった。 彼女はルイズを見ると、にやっと笑った。 「おはよう。ルイズ」 「おはよう。キュルケ」 ルイズは顔をしかめ、嫌そうに挨拶を返した。 「ちゃんと用事は済んだ?人修羅」 「ああ、おかげで水くみ場とかも教えて貰ったよ、さっきはありがとう」 俺が今朝のお礼を言うと、ルイズは驚いた顔で俺とキュルケさんを見た。 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!なんであんたキュルケと喋ってるのよ!」 「あら、嫉妬?」 「違うわよ!」 癇癪を起こしたルイズさんをからかい、楽しそうに笑うキュルケさん。 喧嘩するほど仲が良いということわざが有るが、この二人もそんな関係なのだろうか。 「それにしても『サモン・サーヴァント』で、平民を召喚しちゃったなんて、あなたらしいわ。さすがはゼロのルイズ」 ルイズがぐっと歯を食いしばった。 「…うるさいわね」 あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一発で呪文成功よ。おいでフレイム!」 キュルケさんの言葉に続いて、部屋の中からのっそりと、真っ赤で巨大なトカゲが現れた。 ボルテクス界で共に戦った火の精霊『フレイミーズ』によく似た懐かしい熱気が感じられた。きっとこの子はサラマンダーだろう。 「へー、かわいいなあ。よしよし」 俺が手を伸ばすと、サラマンダーは首を持ち上げてこちらを見た。 そのまま猫のように顎を撫でると、嬉しそうに「きゅーん」と小さい声を出した。 「…フレイムが懐くなんて。やっぱり…」 「ん?」 やっぱりとは何だろう、俺がキュルケさんの方を向くと、慌てて顔を逸らしてしまった。 「これって、サラマンダー?」 ルイズが悔しそうに尋ねた。 「そうよ! 火トカゲよ! 見てよ、この尻尾。ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は、間違いなく火虫亀山脈のサラマンダーよ? ブランドものよー。好事家に見せたら値段なんかつかないわよ!」 「そりゃよかったわね」 苦々しい声でルイズが言った。 「素敵でしょ。あたしの属性ぴったりよ」 「あんた『火』属性だもんね」 「ええ。微熱のキュルケですもの」 そんなやりとりをした後、キュルケさんはフレイムの頭を軽く撫でた、おそらく『ついてこい』と命じたのだろう、何となくそんな気がする。 「それじゃ、お先に失礼」 そう言うと燃えるように鮮やかな赤髪をかきあげて、颯爽と去っていってしまう。 サラマンダーのフレイムくんは、大柄な体に似合わない可愛い動きで、ちょこちょことキュルケさんの後を追っていった。 昨日召喚されたばかりだというのに、既に信頼関係を結んでいる気がして、人修羅はキュルケとフレイムのコンビがちょっとだけ羨ましくなった。 ■■■ キュルケが二人の視界から消えると、ルイズは拳を握りしめ、悔しそうに叫んだ。 「くやしー! 何よ何よ何よあの女! 自分が火竜山脈のサラマンダーを召喚したからって! ああもう!」 「まあまぁ、そんなに怒らなくても」 「何よ!あんたまであの女の肩を持つの!?さっきだって」 「朝、廊下で出くわしてさ、洗濯場所を教えて貰ったんだ」 「何のほほんとしてるのよ!なんであいつがサラマンダーで、何でわたしがあんたなのよ!」 「まあまあ、ほら、サラマンダーじゃ洗濯とか着替えとかできないし」 「平民よりネズミの方がよっぽどましよ!」 ルイズはそう言い捨てると、機嫌を悪くしたままキュルケが消えた方へと歩いていった。 人修羅はルイズから三歩下がって、後をついて行く。 「……辛いだろうなあ」 ルイズに聞こえないよう、小声で呟いた。 ■■■ トリステイン魔法学院の食堂は、本塔の一階部分にあった。 位置的には、正面玄関に入ってすぐの場所だと解っていたが、実際に百人以上の人間が座れる巨大な食堂を見ると、その荘厳な雰囲気に驚いてしまった。 二年生のルイズ達は、真ん中のテーブルに座るらしい、食堂の正面に向かって左隣はルイズ達より大人びている気がする、おそらく三年生だろう、彼らは皆紫色のマントを身につけている。 逆に右側では、茶色のマントを身につけた生徒さん達が着席している、おそらく一年生だろう。 人修羅の記憶の中にも似たような場面があった、体育祭で学年別に色分けされたジャージだ。 世界が違っても、学校は似たようなシステムなんだなぁと、またもや感心して「へー」と呟いた。 ルイズの話では、朝昼晩と、学院の中にいるすべてのメイジ達がここで食事を取るらしい。 正面玄関から見て一番奥はロフトになっており、そこには教師らしき年長者達が座って談笑している、何人かはこちらを…明らかに俺を見ている。 左右の階段からロフトに上がれるようだが、俺があそこに行くことは決して無いだろう。 って言うか、上からじろじろ見られるのが恥ずかしい、うう、服がほしいよう…。 気を取り直してテーブルを見ると、見たこともない豪華な飾り付けがされている、陶器に銀細工を施した燭台にはローソクが立てられ、その脇には花が飾られ、大きな籠にはフルーツが盛られ…漫画やテレビでみた貴族の屋敷そのものだった。 人修羅が食堂の蒙華絢燗さに驚き、口をぽかんとあけているのに気づいたルイズは、得意げに指を立て、こう言い聞かせた。 「トリステイン魔法学院で教えるのは、魔法だけじゃないのよ」 「はあ」 「メイジはほぼ全員が貴族なの。『貴族は魔法をもってしてその精神となす』のモットーのもと、貴族たるべき教育を存分に受けるのよ。だから食堂も、貴族の食卓にふさわしいものでなければならないのよ」 「はあ」 「どう?わかった? 本当ならあんたみたいな平民はこの『アルヴィーズの食堂』には一生入れないのよ。感謝してよね」 「へえ、アルヴィーズって言うのか、なんか聞き覚えがあるような…」 「小人の名前よ。ほら、壁際に小人の像がたくさん並んでいるでしょう」 ルイズの言葉につられて壁を見渡すと、確かに壁際にはいくつもの小人の彫像が並んでいる。 「へー、オートマータかぁ、すごい数だなあ…」 「よく知ってるわね」 「まあ、似たような物を見たこと有るって言うか…やっぱり踊るの?」 「そうよ。まあそれはいいわ。ほら椅子をひいてちょうだい。まったく気の利かない使い魔ね」 ルイズが腕を組み、人修羅を見上げた、桃色がかったブロンドの長い髪が揺れるその仕草を見た人修羅は『つんとした顔も可愛くね?可愛くね?』とか言いながら変なポーズを取りたくなったが、変態だと思われるのがイヤなので止めた。 とりあえず無言で椅子を引くと、ルイズは何も言わずに椅子に腰掛けた。 「それにしても、朝から凄い料理だなあ」 人修羅の呟きを聞いたルイズは、当然、と言いたげに顔を上げた。 「これぐらい当然よ、テーブルマナーは貴族の最低限のたしなみよ」 ううむ、と人修羅が唸る。 一時期、暇に任せてボルテクス界で本を拾いまくった、それこそ普段は読まないような雑学の本や哲学の本も読みあさった。 基本的な頭のつくりは一般高校生だったため、難しい本はよく解らなかったが、それでも面白い発見があった。 ある本には、イギリスの貴族はどんなできの悪い子供でもテーブルマナーだけは徹底的に仕込まれると書かれていたのを思い出した。 世界は違っても人間である以上、どこか似通った文化になるのかもしれない…そんな事を考えつつ、自分の座る場所を聞こうとして床を見た。 そこには、皿が一枚置いてあった。 人修羅の脳裏に、ものすごく嫌な予感がわき上がってくる。 「なんか、皿が置いてある」 「そうね」 「なんかスープらしきものが入ってる」 ルイズは頬杖をついて、数々の悪魔と神を従え、妖精や外道に尊敬されるまでになった人修羅に、こう言った。 「あのね? ほんとは使い魔は、外。あんたはわたしの特別な計らいで、床」 「オーマイゴッド」 人修羅はそう呟くと、顔を右手で覆い、ためいきをついた。 床に座って皿を手に取る、よく見るとスープには申し訳程度に小さな肉のかけらが浮いており、皿の端っこに硬そうなパンが二切れ、ぽつんと置いてある。 人修羅は考える。 アクマにとっての食料、霊的エネルギーとも言うべき『マガツヒ』が、今の人修羅には無尽蔵に在る。 だが、人間を捨てきれぬ人修羅は、腹が減るという感性をあえて残している。 しかしマガツヒがあるから死ぬことはない、けれども腹は減る。 人修羅はスープの入った皿を床に置いて、テーブルの上を見た。 あまりの差にちょっとだけ涙が出そうになった。 その上、周囲では学生達が目を閉じて祈りの声を唱和している。 「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧を我に与えたもうことを感謝致します」 というるいずの声が聞こえてくると、いよいよ人修羅も『ああ文化の違いってやつか異文化交流異文化交流…』と考えて、諦めがついたようだった。 とりあえず手を合わせ、呟いた。 「いただきます」 スープを少しずつ口に含み、唾液と混ぜてゆ~~~~~っくりと味わう。 とても質素なスープに見えたが、意外にも素材が良いのか調理がよいのか、美味しいのがまた悲しかった。 ふとルイズを見る、フォークとナイフを扱うその手つきは淀みない、背筋も正しい、他の生徒を見ると、鶏肉についた皮に悪戦苦闘している者もいる。 人修羅は、昨日コルベール先生から教えて貰った、ルイズの話を思い出した。 コンプレックス、その一言で片づけるにはあまりにも過酷かも知れない。 ルイズの生まれは、トリステインでも有数、と言うよりは王家に一番近いとまで言われる大貴族らしい。 生まれだけでなく、家族は皆メイジとしての腕も凄いのだとか。 そんな中で産まれたルイズは、魔法がすべて失敗してしまう、サモン・サーヴァントは人修羅が呼び出されたので、一応『成功』扱いを受けているが、本人は納得していないと思える。 メイジは当たり前のように空を飛べる、当たり前のように魔法で扉に鍵をかけ、またそれを解錠できる。 メイジは超能力者のように、魔法で物を浮かせたり、自由自在に操ることもできる。 しかしルイズはそれらが一切できない。 ルイズの姉は昔、魔法学院に在籍しており、それこそトップを独走する程優秀な成績を残して卒業し、今はアカデミーという研究機関で魔法の研究をしていると、オスマン先生が言っていた。 それをふまえた上で人修羅は、自分が受けた扱いを冷静に受け止めた。 貴族と平民の差がこれ程までに絶対的で圧倒的だとしたら、魔法の使えないルイズはどれだけ苦しい思いをしてきたのだろうか。 ボルテクス界で、人修羅は人間だった友達を『殺した』。 弱肉強食を提唱し、弱い者を虐殺しようとする友達を説得できなかった、だから殺した。 すべての存在を引きこもりにして、誰とも干渉しない静かすぎる世界を作ろうとした友達を説得できなかった、だから殺した。 もし、ルイズがあの時、世界の命運を握るハメになったら、ルイズはどんな世界を作ろうと願うだろうか? コルベール先生は、サモン・サーヴァントについて、こう言っていた。『お互いが必要としている存在が導かれる』と。 それが事実なのか、詭弁なのか解らない、しかし、今はそれを信じてみたかった。 「アー美味しくて涙が出そう」 そんなことを呟いた人修羅のお皿に、ルイズのフォークが伸び、鳥の皮と少しの肉が乗せられた。 ちょっと嬉しかった。 前ページ次ページアクマがこんにちわ
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一部ですが、念願の日本語対応がやっと来ました!! ご協力頂き本当にありがとうございます。 引き続きTranslateの方をよろしくお願いします。 スレッドについてはこちら 翻訳とは何ですか? Hypixelの翻訳の一環として、ゲーム内のテキストを任意の言語に翻訳する手助けをするプレーヤーを作成しました。 皆さんのご協力により、より多くの言語をサポートし、Hypixelを私たちのコミュニティの英語以外のプレイヤーにとってより良い経験にしていきたいと考えています。 ネットワークの新しい領域を翻訳したり、適切ではないと思われる既存の翻訳を改善したりするのを手伝いたい場合は、下記のガイドの方法をお読みください。 Hypixel Translate Guide Hypixel Translate Project 日本語を翻訳する際は必ず こちら を見てください! また、2021年5月より 日本語翻訳フィードバックフォーラム が開設されました。誤字・脱字、誤訳などの指摘に利用できます。 翻訳チームにはどのようにして参加しますか? Hypixelチームは現在、英語を次の言語に翻訳するための助けを求めています 中国語(簡体字) 中国語(繁体字) デンマーク語 オランダ語 フィンランド語 フランス語 ドイツ語 インドネシア語 イタリア語 韓国語 ノルウェー語 ポーランド語 ポルトガル語 ブラジルポルトガル語 ロシア語 スペイン語 日本語 スウェーデン語 トルコ語 他の言語はのちほど追加されていきます。 上記の言語の1つに当てはまり、「Hypixelの翻訳に役立ちたい!」という方は以下の手順に従ってください。 始める方法 1. crowdin.comにアカウント登録をする(またはサインインする) 英語のサイトで英語がわからない場合は公式 (Crowdin)の日本語サイトにいってください クリック なお、Crowdinアカウントは削除することができます 2. あなたのプロフィールを記入してください(あなたのMinecraftユーザー名を含めてください) 3. プロジェクトページであなたの言語を指定する 4. 翻訳のお手伝いしたい言語をクリックする 5. このプロジェクトに参加するには、翻訳チームに参加する必要があります。参加ボタンを押してマネージャーさんたち承認してもらえるメッセージを入力してください (すぐには参加できません) 6. 管理者さん達があなたの参加申込みを承認し、あなたを受け入れます (承認されるのに一週間かかる場合もあります) 7. 受け入れられたら、言語の[Discussions]タブでヒント/問題を確認します 8. [Files]タブに行き、[Translate]ボタンまたは[Vote]ボタンをクリックします。 あまりにも多いと、受け入れることができない可能性があります。受け入れられたらE-mailが届きます! プロジェクト内でのCrowdin権限 Owner(オーナー) 階級 一位 プロジェクトの所有者 実質HypixelDev氏専用の階級 Manager(マネージャー) 階級 二位 ファイルの操作や翻訳の更新(build)ができます Proofreader(校正者) 階級 三位 翻訳の提案と承認などができます この階級からは他人の提案を削除できるようになります Translator(翻訳者) 階級 四位 翻訳の提案と投票をすることができます Pending(待機中) 階級 なし プロジェクト参加の承認待ち Blocked(ブロック済み) 階級 なし プロジェクトにブロックされています purojekut - 名無しさん (2019-02-10 22 27 26) プロジェクトページってどこですか? - 名無しさん (2019-02-10 22 27 42) https //crowdin.com/project/hypixel - 名無しさん (2019-02-23 23 14 30) ↑こちらになります。 - 名無しさん (2019-02-23 23 16 10) 「日本語を翻訳する際は必ず こちら を見てください!」のところがリンク切れしてますよ - 名無しさん (2019-11-27 20 02 42) 一部日本語対応したみたいですね - 名無しさん (2020-01-10 15 31 08) 言語を日本語に変更すると一部のテキストが大きくはみ出して映らなくなるんですけど、解決方法はありますか? - 名無しさん (2020-05-03 10 14 19) 一部治ってました、ありがとうございます。 - 名無しさん (2020-05-10 18 36 59) 赤い文字はできるだけ最始にやってください - ⅝⅝⅝⅝⅝⅝ (2020-05-24 07 24 14) Discordグループなどはない感じですか? - 名無しさん (2020-07-27 01 22 49) ないのでは...? あってもいいとは思いますが - 野良猫 (2021-01-12 22 32 41) 全言語共同の翻訳コミュニティがあります。https //hypixel.net/threads/hypixel-translator-discord.1970571/ - 名無しさん (2021-01-14 09 38 32) こんにちは。日本語訳校正担当の者です。現在、Hypixel翻訳で「Minecraft 1.17における半角文字と全角文字の間における半角スペースの撤廃」をHypixelでも適用するか、非公式の調査を実施しています。以下のリンクからご協力をお願いします。https //forms.gle/3JFU3YQX8bASFTSv5 - Murasaki_Y (2021-03-13 10 54 12) この投稿に問題がある場合は削除をお願いします - Murasaki_Y (2021-03-13 10 55 08) 日本語訳へのご意見、ご指摘などが可能なフォーラムです - 名無しさん (2021-05-13 19 05 19) https //hypixel.net/threads/hypixel%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%BF%BB%E8%A8%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF-hypixel-japanese-translation-feedback.4183426/ - 名無しさん (2021-05-13 19 05 27) 名前